明日から


なんでこうなったとしか言えないんだけども、数ヶ月前からゆきちくんと遊ぶ約束をしてたんだよね今日(5月29日)
まさか約束の期日までに私が消えることになるとは私自身思ってなかったんだよ まぁでもこうなってしまったからには仕方ないし、約束が先だし、ドタキャンも失礼だし……でも気を遣わせるだろうし無理に来てもらうのも……とぐるぐる思案しながら待ち合わせ場所に行ったら彼はいました 四国からよく来たねキミは


「自分が今日来なかったら、姉さん死ぬんじゃないかと思って」


自惚れるんじゃないわよ生きるわよ!!www
私が居なくたってみんなが生きているように、私だってひとりで生きていくだけ でも心配させてしまったね 絶対に行かなきゃいけないと思わせてしまったね ごめんね
約束したときはただ遊ぼうぜ飯行こうぜってだけの話だったはずなのになw



結果的に最後の最後に会う人となってしまったので「なんで自分が?」とかなり気を遣わせてしまった、いやほんと他のみんなにもごめんという気持ちでいっぱいなんだけど…こんなはずではなかったんだよほんと…





南大阪は治安がほぼスラム街である 明らかに怪しい雰囲気のオンボロ雑居ビルにふらふら入っていく私と「道合ってます?」ビビりながらついてくるゆきちくん そして隠れ家的にあるゲームバーに入店
立地がヤバすぎるのでシャンパンとか空ける夜のお店に連れていかれたのかと思ったらしい 草


最後だから、と前置きしてチーム内部から見える現状とか今の気持ちとか色々聞かせてもらった 私も素直に話した


彼がチームに入るって聞いた時、私は彼自身に結構ひどいことを言ったのでそれについては謝った(謝って許してもらえるものでもないが……これから消える側の人が謝罪するの卑怯よな本当に 自分でもわかってる)
おめでとう、頑張ってね、普通言うべき言葉が言えなくて

「ごめん、祝福できない」
「今のチームに入るってどういうことかわかってる?」
「まじまくんのことくれぐれもよろしくね」

これらのセリフは全部消える前に言ったことです まさか消えることになるとは略

で、まあ謝って、「まじまくんのことをよろしくとは言ったけれど、どうにかしなきゃという責任感を抱く必要は無いので嫌になったら抜けなさい、自分の思うままにしなさいね」とツンデレ(?)のように上から目線すぎるクソアドバイスをした 救えない……どこまでもクズな私……


ゆきちくんも実際チームに入ってみて見えたものがあり(思ったより内部がヤバかった)、それでもまじまくんが好きなので、なんとか上手く改善していけたらと考えてくれるらしい ありがたいなぁ
その上私にも「これで最後だなんて嘘でしょ?まじま界隈に戻ってこなくてもいいよ、心配してる人達と連絡だけはとってあげてくださいよ、俺も寂しいですよ」とかなんとか腑抜けた優しさを寄越してくるので

「キミはこれから私を忘れるの 私もまじまくんを忘れるんだよ」

うはは、と笑いながら言うや否やボロボロ涙があふれてきて困った そんなつもりで言ったのではなかったのに、自分で言って自分でかなしくなってしまった

これから私は忘れて、忘れられるんだ





私は弱いので、きっとまたみんなの元に戻りたくなってしまうし、まじまくんのことを忘れられないと思う 自分がどんなに甘ちゃんかは自分が一番わかってる
だからまぁちょっと、というかかなり、自分に言い聞かせて退路を断つ目的もあって「もう二度と戻らない」と公言している節はある
ここまで言ってもう戻れないでしょ〜w
戻れませんよ、彼も私も。
願わくば、彼の進む道が明るいものでありますように。





なにがつらいって、今まで宝物にしていた、クルー作のグッズやアクセサリーを捨てなきゃならないこと
つらいから後回しにしてたんだけど、今日ここでゆきちくんとバイバイしたら、本当にこれで最後だから、覚悟決めてやらなきゃいけない 今夜帰ったら最後の大仕事が待ってるんだよ、とゆきちくんに話したら「俺だったら絶対捨てられないよ、姉さんは強い」って言われた
「まぁゆきちくんはそうだろうな!後生大事にとっておくんでしょ?わはは!」って笑ったけど

強くないよ。弱いよ。
あるとつらいから、見ると忘れられないから、だから捨てるんだよ。私は雑魚で、これは非道な行いだよ。
「まぁでも、強いってことにしておこう」
へらへら笑った私はゆきちくんの目にはどう映ったのかなぁ。みんなの期待通り、強いお姉さんで居られたらいいなぁ。






最後にでんでんと通話したとき
彼女が泣きながら
「お姉さん、幸せになってください、これからは時間もお金も自分のために使っていいんです、いっぱいいっぱいしあわせになってください、お姉さんはもう自由です」
と言ってくれた
やさしいやさしい愛情のことば
解放のことば
そのでんでんが私のために作ってくれた最高に可愛いオレンジのブレスレットを 髪飾りを イヤリングを






「私ね、帰ったらぜーんぶ捨てるの!わたし、明日から自由なの」
「………………わかりました」





ゆきちくんは諦めたように優しく笑って
それから何も言わなかった










最後のお別れ
改札前で無言で手を差し出してきたゆきちくんを私は「未練が残るから」と拒否した
最後だからしっかりするつもりだったのに、湿っぽいのはいやなのに ダメだな
大人だぞ?最後の握手くらいできなくてどうする?『困難は分割せよ』私の中のルロイ修道士が人差し指と中指をクロスさせている
声も出さずに泣く私の頭を撫でて「俺は悪い人だね、できないのわかってるのにね」って笑うゆきちくんの優しさが痛かった







帰ったらゴミ袋にまとめて捨てる
わたしは 明日から自由なの